2026.8.12センター通信号外8月号

▶▶▶202608センター通信号外)9.6竹沢講座

「時計ではなく、子どもを見る」          竹沢 清

愛知の発達センターで、障害幼児の親御さんに話をする機会があった。
以前教えたとし子(聴覚障害・知的障害。中3)の話をした。
私が、ろう学校重複障害学級の生徒(中学部)を連れて外に行こうとする。
生徒たちと玄関を出て、ふと後ろを見る。すると、とし子一人が、玄関で靴を履いたり脱いだりしている…。
(またか)、いつも急き立てないと動かない。
その、とし子が、次第に自分の思いを出せるようになってきた。
だが、それと同時に、気になることも出てきた。
帰りの会が終わっても、家に帰らず、次々と,やらんでもいいことをやる。
他の子の机の中を次々と覗き込み、それが終わると、教室の窓のカギを開け閉めする…。
その間、30分!
だが、ふと思った。(それって、帰りたくない、との意思表示でないか)。
そうとらえ、「とし子の発達にとっての必要時間」として、帰りの時間を30分早めた。
そして、それらを、「発達することは、新しい課題を抱え込みながら生きること」と意味づけたのだった。
この話を聞いた1歳児のお母さんから感想が届いた。
なかなか寝ない我が子。寝るための準備の時間を早めてみた。寝るようになった。
それからは、「時計を見るのではなく、子どもを見る」ようになった、という。
「時計ではなく、子どもを見る」―今、子どもに関わる大人に、もっとも届けたい言葉、と言ってみたい。

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