設立趣意書

1.趣旨

今政府は、「構造改革」の名のもと社会保障・社会福祉制度を全面的に見直してきています。私たちが暮らす愛知県・名古屋市でも、障害者と市民が共同して作り出し、全国に誇った「愛知の福祉」「名古屋の福祉」が次々に見直しされてきています。

障害者(児)分野では、2003年4月から措置制度を廃止し、利用契約制度(支援費制度)に移行しました。これは、従来の施策のあり方を大 きく変えるとともに、居宅事業所やグループホーム・入所施設の整備が不十分な中で推し進めた結果、自治体での混乱と自治体間での格差、基盤整備の遅れ、利 用者を制限する事業者など問題が生じています。

このように、障害者をめぐる状況が大きく変わる中で、障害者(児)・家族の生活と権利をどう守っていくのか、従来型の運動だけでは解決でき ない課題も多く生まれてきているとともに、障害当事者としての政策立案能力も問われています。一方、支援費制度下で障害者の立場に立った・障害者のよき パートナーとして利用しやすい事業所を行政の力に寄ることは困難となっている中、当事者・関係者が協同しての事業を展開することが求められています。

これまでの障害者問題への取り組みをより発展させ、障害者・家族・関係者の生活と権利を守る取り組みとともに、障害当事者や家族の期待に応 える事業、そして次代を担う人々をそだてる事業をさまざまな運動とともにすすめるために、特定非営利活動法人あいち障害者センターをここに設立し、身体・ 知的・精神の障害の違いを乗り越え、すべての障害者(児)と親・家族の期待に応える運動と協同事業をおこなうものです。

2.経過

2003年5月、愛知県障害者(児)の生活と権利を守る連絡協議会が中心となり「あいち障害者センター設立準備会」を設立するとともに、全 国障害者問題研究会愛知支部・きょうされん愛知支部と協同して2003年12月・2004年3月に支援費制度学習会の開催、名古屋市障害者計画への意見書 づくり、事業所と提携しての全身性障害者ガイドヘルパー養成講座の開設などに取り組んできました。

設立については、全国障害者問題研究会愛知支部・愛知県障害者(児)の生活と権利を守る連絡協議会・きょうされん愛知支部の障害関係3団体連絡会議で確認し、有志により当法人の設立をめざすこととしました。